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ゼネラリスト・スペシャリストとは?違いやメリット・デメリットを解説

世の中には大きく分けて「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」、この2種類の仕事が存在します。人生のキャリアプランを立てていくうえで自分はゼネラリスト傾向なのか、はたまたスペシャリスト傾向なのかをベースに考える人もいます。

今回はそんなゼネラリスト・スペシャリストという言葉の意味やそれぞれを目指すメリット、デメリットについてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.ゼネラリストとは/スペシャリストとは
    1. 1.1.ゼネラリストの意味
    2. 1.2.スペシャリストの意味
    3. 1.3.それぞれの特徴・比較例
  2. 2.ゼネラリスト/スペシャリストになるメリット・デメリット
    1. 2.1.ゼネラリストになるメリット
      1. 2.1.1.リーダーやマネージャーになりやすい
      2. 2.1.2.キャリアに柔軟性がある
      3. 2.1.3.スペシャリストには見えない解決策が見えることもある
    2. 2.2.ゼネラリストになるデメリット
      1. 2.2.1.幅広い知識を得られるがその分知識の深さは犠牲になる
      2. 2.2.2.雇用の安定性に欠ける
    3. 2.3.スペシャリストになるメリット
      1. 2.3.1.多くの収入を得られる
      2. 2.3.2.専門分野で真のオピニオンリーダーになれる
    4. 2.4.スペシャリストになるデメリット
      1. 2.4.1.キャリアの幅が狭い
      2. 2.4.2.他のスペシャリストとの差別化が必要
  3. 3.今後の日本で必要になるのはゼネラリスト?スペシャリスト?
    1. 3.1.メンバーシップ型雇用下ではゼネラリストが育ちやすい
    2. 3.2.ジョブ型雇用が注目され、スペシャリストがより稼げる時代に
    3. 3.3.スペシャリストでも稼げない時代が来る?
  4. 4.あなたはゼネラリスト?スペシャリスト?


ゼネラリストとは/スペシャリストとは

「ある人をその携わる仕事の内容や必要とされる知識量・スキルによって分類した指標」をゼネラリスト、スペシャリストという言葉で表現しています。メディアなどでよく見かけるゼネラリスト、スペシャリストという言葉は職業名ではありません。

ゼネラリストの意味

generalist(ゼネラリスト・ジェネラリスト)

<名詞>広範囲の知識・技術を持つ人

(出典:宮井捷二氏,『ビーコン英和辞典・第2版』三省堂,p559)

ゼネラリストは「ある特定の分野に関する知識やスキルを幅広く持つ人」のこと。ゼネラリストはいわゆる「なんでも屋」です。ゼネラリストの組織内での役割は比較的ぼんやりとした定義になることが多いです。例えば医療業界であれば総合内科。老若男女を問わず命に関わるものから単なる風邪まで、さまざまな病気の患者さんを対応することになります。

スペシャリストの意味

specialist(スペシャリスト)
<名詞>専門家、専門医

(出典:宮井捷二氏,『ビーコン英和辞典・第2版』三省堂,p1288)

スペシャリストは「ある特定の分野に関する特別な知識やスキルを持つ人」のこと。スペシャリストの組織内での役割は明確で、毎日同じような業務を扱うことが多いです。例えば医療業界であれば呼吸器専門医で肺の手術に長けていたり、小児外科医で患者が全て子どもだったりというような具合です。

それぞれの特徴・比較例

ゼネラリストとスペシャリストの違いを比較すると以下のとおりです。



ゼネラリスト
スペシャリスト
知識・スキル
幅広く浅い
狭く深い
キャリア
柔軟性がある
幅が狭い
給与
低~高


これをもとにゼネラリスト、スペシャリストになるメリット・デメリットを解説します。

ゼネラリスト/スペシャリストになるメリット・デメリット

ゼネラリストになるメリット

ゼネラリストになるメリットは3つあります。

リーダーやマネージャーになりやすい

ゼネラリストはその幅広い知識やスキルから

  • 物事を広い視野で見て判断をする、さまざまな角度から理解をする能力

  • どの部署でも適応できる能力

  • 従業員とのコミュニケーション能力

  • プロジェクト管理能力

に長けています。このようなチームを率いる能力は業界を問わず必要とされるもので、ゼネラリストはリーダーやマネージャーといった地位に抜擢される傾向にあります。

キャリアに柔軟性がある

ゼネラリストはある分野に関してより広く理解し、自由に活用するスキルを持っているためキャリアが制限されることがありません。

例えばゼネラリストとしてHR業界を学んだ場合

  • 人事になり採用を担当

  • ライターとして求人メディアの広告を作成

  • 求人媒体の営業

  • HR領域で講師

  • HRに関する本を書く

…などキャリアの可能性は広く、その方向転換も容易です。

スペシャリストには見えない解決策が見えることもある

幅広い分野の知識、スキルを持つゼネラリストはそれらが持つ相互関係を理解しています。そのため、企業全体に利益をもたらすアイデアを提案したり、普段は誰も気づかないであろう問題点を見つけられます。

ゼネラリストになるデメリット

ゼネラリストになるデメリットは2つあります。

幅広い知識を得られるがその分知識の深さは犠牲になる

ゼネラリストは幅広い知識やスキルを兼ね備えていますが、その分深さを犠牲にしている部分があります。氷山の一角でしか物事を判断できないため、水面下の深くて複雑な部分でなにか問題が起きていた場合、それを見つけるのはスペシャリストでないと困難です。

雇用の安定性に欠ける

ゼネラリストの役割は曖昧でさまざまなポジションで業務をおこないがち。ゼネラリストを別のゼネラリストに置き換えることは、スペシャリストを見つけることよりも簡単な場合が多く、キャリアの可能性は広いですが雇用後の安定性に不安が残ります。

スペシャリストになるメリット

スペシャリストになるメリットは2つあります。

多くの収入を得られる

スペシャリストになる大きなメリットといえば「稼げる」という点。

スペシャリストになるには勉強をする時間や資格取得のための時間がかかることが多く、任されるポジションも高度な知識やスキルが求められる狭い範囲のため、雇用後から高給与でスタートする傾向があります。

スペシャリストは普通の人が知り得ぬような知識やスキルを持っているため、組織全体がスペシャリストの専門知識に頼ることになります。これは給与が上がっていく可能性を見込めるだけではなく、スペシャリストとして社内で力を発揮できることにもつながります。

専門分野で真のオピニオンリーダーになれる

ゼネラリストはその適応力からリーダーやマネージャーになる傾向がありますが、スペシャリストもリーダーになれる可能性はあります。結局、企業は大きな問題にぶつかったときにはゼネラリストではなくスペシャリストに助けを求めざるを得ません。自分の専門分野に情熱を持ち、時間を書けて勉強することを惜しまなければ、広く認められるリーダーになれます。

スペシャリストになるデメリット

スペシャリストになるデメリットは2つあります。

キャリアの幅が狭い

スペシャリストはより良い収入を期待できる一方で、適切なポジションを見つけるのは非常に困難です。スペシャリストは特定の分野に絞って専門的な知識やスキルを身につけているため、その狭い分野でしか仕事を見つけられません。

他のスペシャリストとの差別化が必要

特定の分野の狭い範囲での仕事になるため、その同じポジションに似たような他のスペシャリストが大勢いる可能性もあります。そのためスペシャリストとして稼いでいくには他のスペシャリストとの差別化も必要になります。

今後の日本で必要になるのはゼネラリスト?スペシャリスト?



ゼネラリストを目指すのか、スペシャリストを目指すのか。それを決めるときは自分の心とパッションに従うことが重要ですが、将来の雇用市場で必要とされるであろう人物像を考慮することも忘れてはいけません。果たして今後の日本の雇用市場ではゼネラリスト、スペシャリストどちらに需要があるのでしょうか?

先に結論をいうと、近い将来必要とされ、稼げるのはスペシャリストです。なぜならば日本の雇用制度に変化が起きるからです。

メンバーシップ型雇用下ではゼネラリストが育ちやすい

メンバーシップ型雇用とは「終身雇用」「年功序列」といったシステムから成り立つ日本特有の雇用システムのこと。このメンバーシップ型雇用下で働くことにより、1つの会社で働く期間が長くなり、ジョブローテーション(人事異動や職務変更など)でさまざまな業務を任せられます。その結果日本ではスペシャリストではなくゼネラリストのようなオールマイティな人材が育つ傾向があります。この横並び意識が根強いメンバーシップ型雇用が日本経済の衰退を招いているとも言われています。

ジョブ型雇用が注目され、スペシャリストがより稼げる時代に

そして2020年に新型コロナウイルスが流行し社会情勢は大きく変化しました。この不安定な社会情勢が企業にとって

  • 終身雇用や年功序列を約束できない

  • 根強い横並び意識があることで今後の会社の成長が見込めない
  • リモートワークが一般化し必要な業務、不必要な業務が明確になる

と雇用のあり方を見直すきっかけをつくりました。

そこで注目されているのがジョブ型雇用です。ジョブ型雇用とはジョブディスクリプション(職務記述書)に基づき、あらかじめ仕事の内容や報酬などについて明確にした上で会社と個人が厳格な雇用契約を交わすシステムのこと。日本以外の国では一般的な仕組みです。

そしてジョブ型雇用は

  • 賃金が個人が持っている能力によってではなく、仕事の内容や難しさで決まる
  • ジョブディスクリプションに記載された業務が不要になれば契約終了も可能
  • 終身雇用、年功序列の排除による従業員のコストカットが見込める

といった特徴があります。

もしこのジョブ型雇用が主流になった場合、知識やスキルは幅広いが専門性の高い業務はできないゼネラリストよりも明確な特技を持つスペシャリストが活躍し、より稼げる時代になります。

スペシャリストでも稼げない時代が来る?

ジョブ型雇用下でスペシャリストとしての地位を確立すればそれだけで利益を得られます。しかしいずれAI(人工知能)の革命が起きたときスペシャリストが稼げる時代も終わりを迎えます。

最終的に残る仕事といわれているのが

  • 創造的な問題解決性
  • 革新性
  • 人間性

これらを必要とする仕事です。そして上記の特徴が必要とされる仕事は「できない」と考えられていることにとらわれずに問題を解決する能力が求められます。スペシャリストの高い専門性は素晴らしいものです。しかし、その専門性による思い込みや慣れ親しんだ思考パターンによって最初から「できない」と判断することもしばしば。これでは役に立ちません。

もし一生仕事に困らないように生きるのであれば、まずはスペシャリストとして専門性を高め、その後さまざまな他の分野の知識を深め、ゼネラリストへ徐々にシフト。そしてさまざまな分野の専門性をかけ合わせて新たな仕事を生み出していく…こういった働き方になるでしょう。

あなたはゼネラリスト?スペシャリスト?

いかがだったでしょうか。最後に今回の内容をまとめます。

【ゼネラリスト】

  • 幅広い知識やスキルを持つ人
  • 日本人はゼネラリストに育つ傾向がある
  • AI化が進んだ世界ではゼネラリストが持つ幅広い知識やスキルから生まれる創造性が仕事をつくる

【スペシャリスト】

  • 特定分野の特別な知識やスキルを持つ人
  • 将来ジョブ型雇用が主流になった日本ではスペシャリストが必要とされより稼げるようになる
  • AI化が進んだ世界ではその高い専門性が創造性を阻害してしまう

それぞれの意味やメリット、デメリットを理解して今後のキャリアパスを考えてみてはいかがでしょうか。1on1などで従業員のキャリアパスを考える機会があるのならばゼネラリストかスペシャリストか、どちらに進みたいのか聞いてみるのも良いでしょう。


宇野享平
宇野享平

インビジョン株式会社 鼓舞屋/主に求人原稿とHRハッカーのライティング、メールマガジンの配信をしています。最近は入浴剤にハマり中。


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